研究:メタマテリアル

近年、微小金属構造体中における自由電子の振動を利用することで、物質固有だと思われてきた誘電率や透磁率の値を人工的に制御し、自然界に存在しない物質を作り出す研究が盛んに行われています。この人工物質を「メタマテリアル」と呼びます。当研究室では、この技術を光デバイスに応用し、今までになかった機能の実現を目指しております。光デバイスは「導波光学」と「空間光学」という二つの大きな体系に分けられますが、それぞれに対するアプローチを行っております。

「導波光学」は、主に光通信デバイス用途で用いられます。導波光学をベースとした光導波路デバイスのメタマテリアルの可能性として最も単純かつ有望な性質は、透磁率の急峻な波長分散と透磁率変化に伴う高い屈折率変化です。これらは、光導波路内においてスローライト効果や光トラップ現象の実現、従来素子の高性能化や小型化などが期待できます。

「空間光学」は、主にイメージング用途で用いられます。メタマテリアルによる特殊な電磁波制御によってもたらされる技術の一つとして、迷彩技術(迂回・遮蔽など電磁波の空間的制御を行う技術)があります。当研究室では、それに向けたツールとして、メタマテリアルを内包した有機薄膜フィルム(メタマテリアルフィルム)を開発しており、このフィルムを ‘対象物に巻き付けるだけ’ で光学迷彩を実現することが可能となります。

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東京工業大学 工学院 電気電子系 西山研究室

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